防音に関連する用語解説
防音の専門用語は建築に携わっている方でもなかなか理解が出来ない複雑なものです。主観的な内容も多いため、難しい 面がありますが、お客様にご理解頂けるように可能な限り分かりやすく解説していきます。
騒音の定義
JIS Z 8106「音響用語」では、騒音とは「不快な、または望ましくない音、その他の妨害」と定義されている。人は周囲のすべての音に反応するわけではなく、脳が「聞きたい音」と「不要な音」を区別して認識している。そのため、自分にとって不要な音が、聞きたい音を妨げるときに、それを騒音と感じます。
同じ音でも、心地よいと感じる人もいれば不快と感じる人もおり、また同じ人でも状況によって判断が変わることがあります。
つまり、騒音とは客観的な音の大きさや周波数ではなく、聞く人の主観や心理によって決まるものです。
一般的には、「音が大きすぎる」「音色が不快である」 といった場合に「騒音」と判断されます。
騒音の種類
JIS Z 8731「環境騒音の表示・測定方法」では、騒音は時間的な変動の状態によって次の4種類に分類されます。
時間とともに音の大きさがほとんど変化しない騒音。
例:ポンプなどの設備機器、工場の機械音、換気扇の音など。
定常騒音
音の大きさが時間とともに変動する騒音。
例:交通量の変化による道路騒音、風による音など。
変動騒音
音が断続的に発生する騒音。
例:電車の通過音、航空機の離着陸音など。
間欠騒音
瞬間的に発生する強い音。
例:工場のプレス機、ハンマーの打撃音、ドアの閉まる音、花火や雷など。
衝撃騒音
騒音の種類によって、対処方法は異なります。対処方法については以下バナーをクリックしてください。
騒音の目安
120dB 飛行機のエンジン(至近距離)
110dB 自動車のクラクション(2m前方)
100dB 電車通過時の高架下
90dB 大声の独唱、騒がしい工場
80dB 地下鉄の車内
70dB 電話のベル、騒がしいオフィスや街頭
60dB 通常の会話、静かな自動車
50dB 静かなオフィス
40dB 図書館、昼の住宅街
30dB 深夜の郊外、ささやき声
20dB 木の葉の擦れ合い、置時計の秒針(1m前方)
空気伝搬音(空気音)
住宅では、建物の内外で発生したさまざまな騒音が居室内に伝わってきます。その中でも、窓から入ってくる交通騒音や、隣の部屋のテレビ音などは、音源から空気中に放射された音が空気を通じて伝わるものであり、これを 「空気伝搬音(空気音)」 と呼びます。
固体伝搬音(固体音)
固体伝搬音(固体音)とは、建物の構造体に加えられた振動が壁や床などを伝わって室内に伝わる音のことをいう。たとえば、建物に振動が伝わると、床や壁がスピーカーのように震えて音を放射し、居室内で音として聞こえる場合もあります。
固体音の主な特徴
・空気音に比べて減衰が少なく、遠くまで伝わりやすい。
・音の大きさや響き方は、床・壁の材質や構造によって大きく変わる。
固体音を防ぐためには、単に遮音するだけでなく、振動そのものを遮断する「防振対策」が特に重要となります。
