生活音がうるさい人の特徴とは?マンションの騒音原因と防音対策を専門業者が解説
- 21 時間前
- 読了時間: 7分

「上の階の足音が気になる」
「ドアを閉める音が響く」
「子どもが走る音で苦情を言われないか心配」
マンションや集合住宅では、このような「生活音」に関するご相談が少なくありません。
生活音というと、住んでいる人のマナーの問題と思われがちですが、実際にはそれだけではありません。日本建築学会の研究では、集合住宅で気になる騒音として、上階からの床衝撃音や給排水音などが大きな問題になりやすいことが報告されています。特に、子どもの飛び跳ねや走り回る音など、建物を振動させて伝わる「固体伝搬音」が重要な騒音源となっています。
今回は、生活音が大きくなりやすい原因と、マンション・集合住宅で生活音が問題になりやすい理由、効果的な防音・防振対策について解説します。
生活音がうるさい人の特徴
ドアや引き戸を勢いよく閉める
玄関ドアや室内ドア、引き戸を勢いよく閉めると、「バタン」という大きな衝撃音が発生します。
こうした音は空気中を伝わるだけでなく、ドア枠や壁、床などを振動させて建物内部へ伝わることがあります。
実際、集合住宅を対象とした研究でも、玄関扉の開閉音は生活騒音の一つとして挙げられています。
さらに、ドアそのものだけではなく、ドアクローザーの性能や戸当たり部分の緩衝材の有無などによっても、居住者の感じ方が変化することが示されています。
歩くときの足音が大きい
マンションで特に問題になりやすいのが足音です。
かかとから強く着地する歩き方や、子どもが走り回る・飛び跳ねるといった動作では、床に大きな衝撃が加わります。
こうした音は「床衝撃音」と呼ばれ、単純にカーペットを敷くだけでは十分に改善できないことがあります。
1978年に発表された集合住宅の生活騒音に関する研究でも、伝搬方向別では上階からの騒音に対する指摘が最も多く、特に床衝撃系の騒音が上位を占めることが報告されています。
子どもが走ったり飛び跳ねたりする
子どもの走り回る音や飛び跳ねる音は、重量床衝撃音の代表的なものです。
過去の調査では、幼児期の子どもがいる住戸の下階では、足音や走り回る音が1日30~100分程度、平均すると60分近く発生していたのに対し、小さな子どもがいない場合は1日5~15分程度だったという結果もあります。
つまり「子どもの足音が大きい」というだけではなく、音が発生する回数や時間が多くなることも、下階で生活音が気になりやすくなる要因と考えられます。
家具を引きずる・物を床に落とす
椅子を引く、家具を動かす、物を床に落とすといった動作も、床や建物の構造体に振動を与えます。
特に夜間は周囲の暗騒音が小さくなるため、日中には気にならなかった音が目立つことがあります。
深夜・早朝に生活音を出す
同じ大きさの音であっても、発生する時間帯によって感じ方は変わります。
夜間に洗濯機を使用したり、掃除をしたり、家具を動かしたりすると、周囲が静かな分だけ生活音が目立ちやすくなります。
そのため、生活音の問題は「何dBの音が出ているか」だけで判断できるものではありません。
なぜマンションでは生活音が問題になりやすい?
ここが防音を考えるうえで非常に重要です。
音には大きく分けて、「空気伝搬音」と「固体伝搬音」があります。
話し声やテレビ、音楽などは主に空気を振動させて伝わる「空気伝搬音」です。
一方、
足音
子どもの飛び跳ね
家具を動かす音
ドアの開閉
物を落とした音
などは、床や壁、柱などの建築構造を振動させる「固体伝搬音」の影響が大きくなります。
古い研究ではありますが、コンクリート造集合住宅の調査では、隣戸からの話し声・子どもの声・テレビ・ラジオ・ステレオなどの空気伝搬音については指摘率が比較的低く、むしろ固体伝搬音の方が問題になりやすい傾向が示されています。
つまり、生活騒音対策では単純に「壁に吸音材を貼ればいい」というわけではありません。
どこから振動が入り、どの経路を通って音として聞こえているのかを考える必要があります。
「音が聞こえる」と「うるさい」は同じではない
もう一つ重要なのが、人が音をどのように感じるかです。
2014年の日本建築学会の研究では、集合住宅784件の有効回答をもとに、重量床衝撃音について「聞こえる程度」「気になる程度」「うるささ」「問題意識」「満足度」など、複数の観点から居住者の反応が分析されています。
研究では、重量床衝撃音についてL等級による評価と居住者の反応との対応が確認される一方、生活実感を表現するには「聞こえる程度」だけではなく、複数の評価項目を組み合わせることが重要とされています。
これは実際の防音工事を考えるうえでも非常に重要な考え方です。
「音が聞こえなくなること」と「生活上気にならない状態になること」は必ずしも同じではありません。
防音工事では、どの程度まで音を低減する必要があるのかを考えて設計することが重要です。
生活音を抑えるためにできること
軽度な生活音であれば、まずは身近な対策から始めることができます。
カーペットやラグを敷く
椅子や家具の脚にフェルトを付ける
ドアに緩衝材を取り付ける
洗濯機などの下に防振材を設置する
室内では柔らかい履物を使用する
夜間・早朝の掃除や洗濯を避ける
子どもが遊ぶ場所に厚手のマットを敷く
ただし、これらはあくまで発生する衝撃や音を小さくする対策です。
すでに下階や隣室で大きく聞こえている場合や、建物そのものを振動して伝わっている場合には、十分な効果が得られないケースもあります。
本格的な足音対策には「防音」だけでなく「防振」が重要
床衝撃音対策では、「遮音材を増やせばいい」という考え方だけでは不十分です。
重要なのは、振動を建物へ伝えにくくすることです。
実際、集合住宅の調査でも、湿式浮き床を採用した住宅では、室内の足音や家具・椅子の音に対する指摘率が特に低く、浮き床の効果が反映されていると考察されています。
そのため創和防音では、足音や運動による衝撃音などについて、必要に応じて防振床・浮床などを含めた対策を検討します。
特に、「下の階から足音について苦情を受けている」「子どもの走る音をできるだけ抑えたい」「マンションでトレーニングルームを作りたい」「上階からの重量床衝撃音に悩んでいる」
といったケースでは、一般的な防音材だけで判断せず、建物の構造や音の伝搬経路を確認することが重要です。
生活音が気になる場合は、まず「何の音か」を確認することが大切
生活騒音には、
足音なのか。
話し声なのか。
給排水設備なのか。
ドアの開閉なのか。
洗濯機などの設備振動なのか。
によって適切な対策が大きく異なります。
1978年の研究でも、生活騒音として床衝撃音だけでなく、給排水音、玄関扉の開閉音、家具・椅子の音など、さまざまな音源が調査されています。
そのため、いきなり工事をするのではなく、「音源 → 伝搬経路 → 受音側」を整理してから対策を考えることが重要です。
生活音・足音の防音対策は創和防音へ
生活音の問題は、「住んでいる人がうるさいから」という理由だけで発生するものではありません。
建物の構造、床の仕様、壁の構成、配管、音の発生場所など、さまざまな条件が関係しています。
創和防音では、住宅・マンション・店舗などの防音工事について、騒音の種類や建物の構造を確認したうえで防音・防振方法を検討しています。
特に床衝撃音については、単純な吸音対策ではなく、必要に応じて浮床や防振構造などを含めた対策を検討します。
「上階の生活音が気になる」
「自分たちの足音が下階へどれくらい伝わっているのか心配」
「防音マットを敷いたけれど改善しない」
「どこを工事すればいいのかわからない」
といった場合は、建物の状況を確認したうえで対策を考えることをおすすめします。
───────────────────────────
音の悩み、創和防音が解決します。
大阪・兵庫・京都・奈良など関西全域で対応中。
防振工事などは全国で対応
\ 現地調査・お見積もり無料 /
───────────────────────────
〈この記事を書いたライター〉 創和防音 編集部
創和防音は一級建築士・騒音振動公害防止管理者・一級施工管理技士など建築のエキスパートをはじめ、音楽大学卒業・元大手楽器メーカー勤務の楽器のエキスパートが在籍する防音工事専門会社です。
参考文献
光田泰子・木村翔「集合住宅における生活騒音の実態とTNELによる評価」日本建築学会論文報告集 第272号、1978年
井上勝夫・阿部今日子「集合住宅の居住者反応からみた重量床衝撃音遮断性能の生活実感による表現方法の検討」日本建築学会環境系論文集 第79巻 第701号、589-596、2014年


