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【ショールーム制作中】フラッターエコーとは? 響きを整える防音室設計の要点と他社事例

  • 執筆者の写真: riku kawanaka
    riku kawanaka
  • 2024年5月24日
  • 読了時間: 4分

更新日:10月30日

創和防音では、現在自社ビル内で新設中のショールームが進行中です。完成にはもう少し時間を要しますが、まもなく皆様に実際の防音室をご体験いただける予定です。

(お客様へお越しいただける状態となりました。詳しくはこちらから


工事中の防音室内で発生した「フラッターエコー」が非常に興味深い音響事例となりましたので、本稿ではその発生メカニズム、対策方法、他社事例との比較を交えて幅広く解説いたします。


ピアノのフラッターエコーを表した図


フラッターエコーとは?


フラッターエコーとは、壁や天井の平行面で音が連続反射を起こし、減衰しにくいビリつく残響を生む現象です。たとえば短いギターの音が複数回反射し、特有の響きを生じさせます。

この現象は、単体で鳴らす際にはエフェクターのようで興味深く感じられることもありますが、ライブや録音環境では音の明瞭性を損ね、演奏やモニタリングに悪影響を及ぼします。



フラッターエコーによる問題点

下記の点が主な弊害として挙げられます


  • 音の明瞭性が低下

  • 室内の位置による聴こえ方のムラ

  • 特定周波数の偏りや消失

  • 実際には弾いていない音が響きとして混ざる(音色の変質)


これらは、演奏や録音のクオリティに深刻な影響を与えます。



他社ブログが紹介する追加の対策例


1. 吸音カーテンや厚手カーテンの活用


窓やガラス面で発生しやすいフラッターエコーに対し、「防音カーテン」を窓辺に併用することで反射を抑え、吸音効果を高める方法が一般的に紹介されています  株式会社静科hanshinbouon.com+12ippinkan.com+12milestad.hatenablog.com+12


2. 家具による拡散・吸音効果


家具や本棚を壁面に配置し、音の反射経路を遮断することで反射音を抑えるアイデアは、定在波やフラッターエコーの軽減に有効とされています


3. 面に角度を付ける設計


壁や天井において3度以上の傾斜をつけることで、反射が特定方向に集中しづらくなり、フラッターエコーの軽減に効果的です。ただし、実際の居室設計ではスペース効率との兼ね合いがあり、慎重な検討が必要です。  hanshinbouon.com+13milestad.hatenablog.com+13budscene.co.jp+13


吸音パネルのイラスト


創和防音が採用するフラッターエコー対策


創和防音では、以下の手法により実用的かつ快適な防音室を設計しています


  • 吸音パネルの最適配置

    並行面の回避だけでなく、用途に応じた吸音材を戦略的に配置することで、不要な反響を効果的に削減。


  • 計算に基づく残響設計 

    「アイリングの残響式」を活用して目的にふさわしい残響時間を設計。この方式は、用途や室容積から最適な残響時間を精密に導き出す科学的手法です。


  • 場合によって家具やカーテンの併用検討

    必要に応じて防音カーテンや家具の配置を組み合わせ、複数の対策を統合することで、より高い音響性能を実現しています。


創和設計のショールーム


残響時間は「完全なデッド」だけが正解ではない

すべての防音室が「反響のない完全デッド」状態であるべきではありません。用途に応じて、適度な残響を残す設計も重要です。


  • コンサートホールでは豊かな響きを得るために残響を活かす工法が主流です。

  • レコーディング用リバーブルームのように、あえて残響を残す設計も存在します。


創和防音では、「アイリングの残響式」を用いて、用途や空間特性に応じて最適な残響時間を設計しています。



ショールーム完成に向けた今後の見通し


現在建築中のショールームは、吸音材の導入が進むことで、フラッターエコーや定在波等の不要な反響を抑え、音響的に最適な空間へと仕上げる予定です。


完成後には、実際の防音性能や響きの体験が可能になるよう、展示公開を計画しております。最新の進捗情報は、弊社の公式SNSやウェブサイトにて公開いたしますので、ぜひご注目ください。



まとめ


ここまで、創和防音による施工中のショールームで観測されたフラッターエコーの現象を起点に、他社の事例—防音カーテン、家具、角度設計など—を取り入れた対策例、そして創和防音が実践する科学的な設計方法を幅広くご紹介しました。


用途や空間特性を踏まえた設計と適切な吸音対策により、不要な反響を抑えつつ心地良い響きを両立させる防音室設計が可能です。



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大阪・兵庫・京都・奈良など関西全域で対応中。

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〈この記事を書いたライター〉 創和防音 編集部

創和防音は一級建築士・騒音振動公害防止管理者・一級施工管理技士など建築のエキスパートをはじめ、音楽大学卒業・元大手楽器メーカー勤務の楽器のエキスパートが在籍する防音工事専門会社です。

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