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人とは違う音が聴こえる…可聴周波数について

  • 執筆者の写真: riku kawanaka
    riku kawanaka
  • 2024年5月21日
  • 読了時間: 6分

更新日:4 日前

最終更新:2025年10月


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周波数と可聴域を理解する

音は空気の振動ですが、周波数とは、音の波が1秒間に何回振動するかを示す値で、単位はヘルツ(Hz)です。周波数が小さいほど音は低く、大きいほど高くなります。私たちの耳で聞き取れる周波数の範囲は一般に約 20 Hz〜20 kHz(20,000 Hz)の間と言われ、これを可聴周波数あるいは可聴域と呼びます。この範囲内の音は可聴音で、20 kHzより高い音は超音波、20 Hzより低い音は超低周波音と呼ばれます。



人間が聞こえる周波数と年齢の影響

人間の聴覚は、基本的には 20 Hz〜20 kHz の範囲を聞き分けます。しかしこの可聴域は加齢とともに狭くなり、特に高い周波数の感度が低下します。

聴力低下は20代から緩やかに始まり、高周波が徐々に聞こえにくくなるのが一般的だと説明しています。


以下のモスキート音測定例は、年代ごとに聞こえやすい周波数帯を示したものです。

※以下のURLから実際に音を聞いてみることも可能です。




出典:彩の国リオネットセンターグループ



年齢によって聞こえる周波数が異なる理由は、内耳の感覚細胞(有毛細胞)が高周波から順に損傷しやすいためです。したがって高周波が聞こえなくなったと感じたら、早めに耳鼻科や補聴器店で聴力をチェックすることが大切です。若い人のなかには 17 kHz 以上の音(モスキート音)を聞き取れる人もいますが、一般的には 18 kHz 以上になると大半の成人が聞こえないと言われます



モスキート音と高周波音の利用


モスキート音とは何か

「モスキート音」とは、主に 17 kHz 以上 の高周波を指し、加齢により聞こえなくなる性質を利用して若者だけが聞こえる仕組みにした音です。公園や商業施設などで若者の長居を抑止する目的で導入された例もあり、イギリスでは成功事例に倣って設置されたことが報告されています。


ただし特定の年代だけに不快感を与えるため賛否が分かれています。耳の感度が高い人は 25 歳未満でもモスキート音を感知でき、同じ高周波音でも長時間浴びると負担になる可能性があるため注意が必要です。



高周波音がもたらす効果

音楽に含まれる超高域成分(超音波)が心を癒す作用を持つという説もあります。可聴域を超える周波数が実際に聞こえる音をより心地良く感じさせる働きがあるという研究もあり、レコードなどはこういった音域の音が含まれているとされています。こういったことから、従来の CD は 20 kHz 以上の周波数を再生できないため、より高周波まで記録・再生可能なオーディオ機器の研究が進められています。


20 Hz 以下の超低周波音は建物や窓枠を震わせる「低周波騒音」を引き起こす場合があり、頭痛や不眠などの精神的な影響も報告されていま。ボイラーや機械、自然現象などさまざまな発生源があるため、低周波音対策が課題となっています。


環境省もこの問題に警鐘をならしており、様々な形で警鐘を鳴らしております。

詳しくはこちらをご確認ください。https://www.env.go.jp/air/teishuha/index.html



動物の可聴域比較

人間の耳が聞き取れる周波数は 20 Hz〜20 kHz ですが、動物の聴覚は種によって大きく異なります。身近な動物や野生動物の可聴域を紹介しています。以下では代表的な動物の例をまとめます。

動物

可聴周波数の目安

特徴

人間

20 Hz〜20 kHz

会話では約 500 Hz〜4 kHz の周波数帯を多用。20 kHz 以上は超音波として意識されない。

ニホンザル

28 Hz〜34.5 kHz

人間より高い周波数まで聴取できるが、範囲は比較的近い。

65 Hz〜50 kHz

60 Hz〜100 kHz

超音波でコミュニケーションを取るネズミを感知できるため、何もない所を凝視しているように見えることがある

コウモリ

1 kHz〜120 kHz

イルカ

150 Hz〜150 kHz

超音波を使ったエコーロケーションで距離や材質を認識する。イルカは人間の7倍以上高い周波数を聞くことができる。

このほかにも、多くの動物が人間より広い可聴域を持っています。例えば馬は低域 55 Hz から高域 33.5 kHz まで聞けるとされ、一般的には人間と近い範囲です。動物に対しては「聞こえないだろう」と思っても実は聞こえており、逆に人間だけが聞こえる帯域もあります。



可聴域を超えた音との付き合い方

人間が聞き取れない周波数も、私たちの生活に影響を与えています。音楽や自然音に含まれる超音波が心地良さやリラックス効果をもたらす可能性がある一方、工場のボイラーやエアコン室外機などから出る低周波音が頭痛や不眠の原因になる場合もあります。音を扱う際は、可聴域だけでなく超音波や超低周波音の存在も意識し、適切な防音対策や機器の選定を行うことが重要です。



我慢できない音や、どこから鳴っているか分からない騒音で悩んでいる方はぜひ弊社までご連絡ください。


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聴覚を守るためのポイント


定期的に聴力をチェックする

年齢とともに高周波の聴力が低下するため、聴力検査やモスキート音テストで自身の耳年齢を把握しましょう


大音量や高周波に注意する

高音域の音は聞こえづらくても、長時間浴びると耳に負担をかけます。特に耳元でのイヤホン利用は音量を下げ、休憩を設けて聴覚を保護しましょう。


超低周波音対策を行う

機械や換気扇などから発生する低周波振動は健康に影響する場合があるため、防振ゴムの設置や騒音源の点検・メンテナンスを行いましょう。


質の高いオーディオ機器を選ぶ

20 kHz 以上を再生できる再生装置やハイレゾ音源に対応した機器を使用すると、超高域成分を含む音をより豊かに感じられる可能性があります。



まとめ

可聴周波数は人間が聞き取れる周波数帯(20 Hz〜20 kHz)を指し、高周波は年齢とともに聞こえにくくなります。しかし聞こえない音が無関係というわけではなく、超音波は音楽の心地良さに寄与する可能性があり、超低周波音は騒音や健康問題の原因にもなります。モスキート音や犬笛は高周波の聴力差を応用した例であり、動物は人間より広い可聴域で音を聞き取っています。こうした知識を生かして、自身の耳を守りながら音の魅力と上手に付き合っていきましょう。


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〈この記事を書いたライター〉 創和防音 編集部

創和防音は一級建築士・騒音振動公害防止管理者・一級施工管理技士など建築のエキスパートをはじめ、音楽大学卒業・元大手楽器メーカー勤務の楽器のエキスパートが在籍する防音工事専門会社です。

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