【まとめ】「工事式防音室」の値段相場について徹底調査しました!
みなさん、こんにちは!
大阪を拠点に防音室の設計・工事をしている創和防音です。
防音室には大きく分けて「工事式防音室」と「組み立て式防音室」の2種類があります。
「組み立て式防音室」はYAMAHAの「アビテックス」を筆頭に有名なブランドが多く、「防音室と言えば組み立て式防音室」というくらいに馴染みがあるのではないでしょうか。
それに対して「工事式防音室」は完全なオーダーメイドであり工事業者も様々で、「つかみどころが無い」という印象があるのではないでしょうか。
この記事ではそんな「工事式防音室」について解説するとともに、今回調査した「工事式防音室の値段相場」について解説したいと思います!
■工事式防音室とは?~メリットとデメリット~
工事式防音室とは、家の中の一室をまるごと防音室にする形式の防音室のことです。
その名の通り、工事が必須となります。
出典:創和防音
工事式防音室は弊社のような「防音の専門業者」が設計から工事までを行うことが多いです。
工事式防音室には
「家の新築と同時に工事する場合」
と、
「既存の部屋をリフォームする場合」
の2パターンが存在します。
基本的に両者に大差はありませんが、「家の新築と同時に設置する場合」の方が建物本体側との調整が図れる分自由度の高い設計が可能になります。
また、「既存の部屋をリフォームする場合」は既存の部屋の内装を解体する費用が掛かってきますので若干割高になる特徴があります。
<メリット>
遮音性能の調整が出来るため、周囲への音漏れの大きさをコントロールできる
使用者の要望に合わせて自由な設計ができる(広さ・形・設備など)
同じ広さで比較した場合は「組み立て式防音室」よりもコスパが優れる場合がある
工事式防音室は基本的にオーダーメイドであるため、遮音性能の調整や使用者の要望を最大限盛り込むことが出来ます。
例えば、楽器の中でもトップクラスで大きな音が鳴る生ドラムや大音量のオーディオルームなどの用途でも周囲への音漏れが発生しないように遮音性能を調整する事が可能です。
また、部屋の広さや形、壁紙や家具・照明などにもこだわったり、壁や天井にスピーカーを埋め込む・吊る・・・などと自由度の高い防音室の実現が可能です。
加えて、これは意外かもしれませんが、同じ広さ、防音性能で比較した場合「組み立て式防音室」よりも「工事式防音室」の方が値段が安くなる場合があります。
もし、検討している防音室の広さが3~4畳を超えるようであれば、「工事式防音室」を選択した方が高い遮音性能が目指せる分コスパに優れる可能性があります。
(値段相場についてはこの後の章で詳しく解説します。)
<デメリット>
設計と工事が必要になり導入に比較的時間がかかる
工事期間中は「騒音や人の出入り」などの負担が住人にかかる
引っ越しの際に移設できない
いずれのデメリットも工事式防音室が「設計と工事」が必要になることに起因しています。
工事が必要になるとどうしても導入に時間がかかったり、工事期間中は「騒音や人の出入り」など住人に負担もかかります。
また、当然移設なども出来ないため「組み立て式防音室」のように引っ越し先でも流用するといった使い方は出来ません。
■工事式防音室の値段相場の調査結果
出典:創和防音
工事式防音室の費用は業者により様々です。
そのため、「工事式防音室の値段相場」を調べようと思った場合各社のホームページを見て回る必要がありますが、かなり大変です。
そこで、今回この記事ではこちらで各社のホームページに掲載されている値段をまとめ、「値段相場一覧表」を作成しました。
●工事式防音室の値段相場一覧表の作成方針について
工事式防音室は基本的に全てオーダーメイドであることから設計の自由度が高いため、価格も大きく変動します。
しかしながら、どの業者も基本的には共通して「遮音等級」と「防音室の広さ」に応じて値段が変動することは共通しています。
そこで、ここでは「遮音等級」と「防音室の広さ」毎に値段の相場をまとめたいと思います。
なお、この記事では防音室の工事を請け負っている業者の中でも、「遮音等級Dr値」の保証をしている業者の費用に絞って費用相場をまとめたいと思います。
理由は、「遮音等級Dr値」の保証をしている防音室と、していない防音室とでは品質に大きな差があり公正な費用の比較が出来ないためです。
(弊社は「遮音等級Dr値」の保証をしていない業者による防音室の購入はオススメしておりません。)
では、「工事式防音室」の値段相場について見ていきましょう。
●工事式防音室の値段相場一覧表
早速ですが、以下に工事式防音室の値段相場をまとめた一覧表を作成しました。
元の部屋の 広さ | 工事後の 広さ | 遮音等級 Dr-50~(戸建住宅) Dr-65~(集合住宅) | 遮音等級 Dr-55~(戸建住宅) Dr-70~(集合住宅) | 遮音等級 Dr-60~(戸建住宅) Dr-75~(集合住宅) |
4.5畳 | 約3.5畳 | 170万~330万 | 180万~380万 | 220万~450万 |
6畳 | 約4.5畳 | 190万~360万 | 200万~410万 | 230万~680万 |
8畳 | 約6.4畳 | 230万~390万 | 300万~430万 | 400万~760万 |
10畳 | 約8.5畳 | 240万~410万 | 320万~590万 | 350万~840万 |
12畳 | 約9.9畳 | 240万~430万 | 320万~590万 | 420万~930万 |
※防音室工事費用を公表している防音工事業者のHPを元に調査した値段相場です。(2024年9月現在)
※工事式防音室は家の一室を防音室に工事するタイプであり、元の部屋の広さよりも若干狭い仕上がりとなるため両方の広さを記載しています。
※防音工事業者ごとに公表している値段の内訳(設備費の有無、消費税の有無など)にバラつきがありましたが、表示されている値段をそのまま記載しています。
値段の幅が大きいですが、これは設計の自由度が高いため同じ広さや遮音等級でも仕様や追加設備などにより金額が大幅に変動することなどに起因しています。
ですので、当記事での値段相場はあくまでも目安と考えて頂ければと思います。
●遮音等級別 使用可能用途について
遮音等級別に値段相場をまとめましたが、遮音等級に応じてどんな用途に対応しているのかわからない人が多いと思います。
そこで、遮音等級別に使用が可能な用途についても表にしました。
この表と「値段相場一覧表」を合わせて確認することで、自分が導入したい防音室に必要な予算の目安を確認する事ができますので是非ご活用ください。
遮音等級Dr-50(戸建住宅) 遮音等級Dr-65(集合住宅) | ピアノ・アコギ・ボーカル 木管楽器(低音楽器除く)・弦楽器(低音楽器除く) ゲーム配信 |
遮音等級Dr-55(戸建住宅) 遮音等級Dr-70(集合住宅) | エレキギター・金管楽器(低音楽器除く) |
遮音等級Dr-60(戸建住宅) 遮音等級Dr-75(集合住宅)(※1) | ドラム・各種打楽器・低音楽器(エレキベースなど) |
※1 「ドラム・各種打楽器・低音楽器」用途の場合は集合住宅での使用は難しい場合がほとんどであり、注意が必要です。 (戸建住宅のみでの対応が多いです。もしくは「集合住宅でも1階でのみ可」など、条件が付くことが多いため、各防音工事業者へ要相談です。)
※2 実際には防音室使用者それぞれで環境が異なり、必要となる遮音等級も異なるため、上記の表はあくまでも目安としてください。
■工事式防音室の購入を検討する際の注意点について
以上が工事式防音室の値段相場の調査結果でしたが、実際に購入を検討している方へ向けて「工事式防音室の購入時の注意点」についても簡単にまとめておきたいと思います。
防音室は非常に高いお買い物になりますので絶対に後悔の無いように注意してください。
防音工事業者がHP上で記載している費用は各業者ごとに内訳(設備費の有無、消費税の有無など)にバラつきがあるため、HPで表示されている値段だけで各業者の防音工事費用を比較することは難しい状況です。 そのため、もし工事タイプの防音室を作る際は必ず複数の業者へ見積もりを依頼することをオススメします。
⇒弊社では防音室の見積もり・ご相談は無料となっておりますので、こちらから是非お気軽にご依頼ください。
防音工事業者へ防音室の工事を依頼する場合は必ず「遮音等級Dr値(D値)」の保証をしている業者を選定することをオススメします。
「遮音等級Dr値」の保証は防音に対する専門的な知識や経験が必要になるものなので、これができる業者はある程度信頼が出来ますが、そうでない業者は専門的な知識や経験を持っていない可能性があるため注意が必要です。
⇒弊社では「遮音等級Dr値(D値)」の保証を必ず実施していますので、安心してご依頼頂けます。
工事式防音室を購入する際は最低限以上の2点に注意することをオススメします。
■最後に
以上が「工事式防音室の値段相場」についての記事でした。
工事式防音室は完全オーダーメイドであり、購入する人の要望を最大限反映することができます。
また、防音性能も使用用途に合わせて高い性能を実現する事も可能です。
しかしながら、「組み立て式防音室」と異なり「現場で製作される防音室」であるため、その品質は各工事業者に完全に委ねられます。
そのため、「工事式防音室」の購入の際に最も重要なことは「信頼できる業者に工事を依頼する事」です。
「信頼できる業者」の見分け方は「遮音等級Dr値」を保証しているか否かである程度見分けることが出来ますので、購入の際は必ず確認する事をオススメします。
⇒弊社はTV局やスタジオなどの「プロ向けの防音室」を長年手掛けてきた防音専門業者です。
個人向けの防音室のご依頼も承っておりますので「お見積もり」や「ご相談」などお気軽にこちらからお問い合わせください。(お見積もりもご相談も無料です。)
ですが、人によって予算や状況は異なるため、誰もが工事式防音室を設置できるとは限りません。
ですので、工事式防音室を購入する以外の選択肢として「防音賃貸マンション」もオススメしています。
こちらは「工事式防音室」が設置されている賃貸マンションのことで、防音室の購入費用は掛からず月々の賃料しかかからないため比較的防音室導入のハードルが低いです。
購入費用の捻出が難しい方は是非「防音賃貸マンション」も検討してみてはいかがでしょうか。
⇒「防音賃貸マンション」について解説した記事はこちら
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