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【専門解説】ジム・ダンススタジオの「ドン」「コツ」問題──床衝撃音の正体と防音対策

  • 執筆者の写真: riku kawanaka
    riku kawanaka
  • 10月20日
  • 読了時間: 4分

更新日:5 日前

ダンスをする青年

ダンススタジオやフィットネスジムでは、音楽と動きが一体となった活気ある空間が魅力です。しかし同時に、「下のテナントから苦情が来た」「足音が響く」「夜の練習で騒音と言われた」といったトラブルが後を絶ちません。その原因の多くが、建物を通じて伝わる「床衝撃音(しょうげきおん)」です。

本記事では、床衝撃音の基本構造とスタジオ設計で特に注意すべきポイント、そして創和防音が行う防振床対策についてわかりやすく解説します。



1. 床衝撃音とは?

スタジオの「ドン」「コツ」は構造を伝う“振動音”

「床衝撃音」とは、床が振動することで建物の構造体(コンクリートや梁など)を通じて伝わる固体音です。つまり、スピーカーのように床全体が鳴ってしまう現象で、下階や隣室まで音が響く原因になります。

この床衝撃音は大きく分けて、次の2種類があります。



2. ダンスやトレーニングで発生する2種類の床衝撃音


(1)重量床衝撃音:「ドン」「ズシン」と響く低音

ダンスのジャンプ着地や、バーベルを床に置く瞬間などで生じる「ドン」「ズシン」という音。これは重量床衝撃音と呼ばれます。床スラブ(コンクリート床全体)が一瞬大きく振動し、低い周波数の音(50~250Hz程度)が建物全体に広がります。

このタイプの音は、人間の耳では“音”というよりも“揺れ”として感じるため、苦情の原因になりやすいのが特徴です。影響を受ける要因は、以下のように構造的なものが中心です。


  • 床スラブの厚さ・密度・剛性

  • 梁の構造(大梁か小梁か)や支え方

  • 支持スパン(床を支える距離)


床の仕上げ材(フローリング、マットなど)では根本的に止めることが難しく、構造レベルの防振設計が必要です。



(2)軽量床衝撃音:「コツコツ」「ギシギシ」と響く中高音

ヒールやスニーカーのステップ音、椅子の移動音などの「コツコツ」「ギシギシ」という音は、軽量床衝撃音と呼ばれます。これは中~高周波数の音が中心で、床表面の硬さに影響されやすい性質を持ちます。


  • 硬い床(フローリング・タイル) → 音が響きやすい

  • 柔らかい床(ラバー・カーペット) → 音が吸収されやすい


ジムではラバーマットで軽量衝撃音をある程度抑えられますが、ダンススタジオの場合は動きの感触や足さばきを重視するため、硬い床仕上げを選ぶケースも多く、音対策が難しくなる傾向があります。



3. 床衝撃音の性能評価とは?

建築分野では、床の防音性能を「どれだけ音を遮断できるか」ではなく、「標準的な衝撃を与えたときに、下の部屋でどの程度の音が発生するか」で評価します。

数値が小さいほど遮音性能が高い(静か)と評価されます。ダンススタジオなどでは、一般住宅よりも厳しい基準が求められる場合もあります。



4. ダンススタジオ・ジムでの防音設計のポイント

スタジオ防音の難しさは、単に「音を止める」だけでなく、“振動”として伝わるエネルギーをどこで吸収するかにあります。

創和防音では、用途に応じた防振構造設計を行い、重量・軽量どちらの床衝撃音にも対応しています。


ダンススタジオの場合

  • ダンス特有の「飛び跳ね」動作による低音振動を吸収

  • 踏み心地を損なわない浮床構造を採用

  • スピーカーの重低音にも対応できる床+壁一体型防振構造


フィットネスジムの場合

  • トレーニングマシンやバーベル着地時の衝撃を分散

  • 床下に「防振ゴム」や「支持パネル」を敷設

  • 上階でも騒音クレームを防ぐ二重スラブ構造


特に弊社独自技術である置き型防振床「ドンナラン」シリーズは、施工時のコンクリート打設を必要とせず、既存ビルやテナントでも短工期で導入可能です。実験では、重量床衝撃音を最大15〜20dB低減する結果も得られています。


床の対策


5. まとめ:床衝撃音対策は「構造」から考える

  • 床衝撃音は、空気音ではなく建物を伝わる“床衝撃音”

  • 「ドン・ズシン」は重量衝撃音、「コツコツ」は軽量衝撃音

  • 仕上げ材では限界があり、床構造レベルの防振設計が必要

  • 創和防音では、用途別に最適な防振構造をご提案



創和防音の実績とご相談

創和防音では、これまで多数のダンススタジオ・ジム・ヨガスタジオ・ボクシングジム等で防振床構造の設計・施工・測定保証を行ってきました。

「下階への音を止めたい」「開業前にトラブルを防ぎたい」という方は、現場調査から性能シミュレーションまで、ぜひご相談ください。



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 音の悩み、創和防音が解決します。

大阪・兵庫・京都・奈良など関西全域で対応中。

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〈この記事を書いたライター〉 創和防音 編集部

創和防音は一級建築士・騒音振動公害防止管理者・一級施工管理技士など建築のエキスパートをはじめ、音楽大学卒業・元大手楽器メーカー勤務の楽器のエキスパートが在籍する防音工事専門会社です。

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