騒音対策を考える前に知っておきたい「暗騒音」という考え方
- riku kawanaka
- 2024年5月13日
- 読了時間: 4分
更新日:10月30日

騒音対策を考える前に知っておきたい「暗騒音」という考え方
騒音に関する悩みを調べていると、「暗騒音(あんそうおん)」という言葉に出会うことがあります。
道路沿いの住まいや、集合住宅での生活音など、騒音の悩みは千差万別ですが、実はこの「暗騒音」の仕組みを知っていると、意外とシンプルな方法で騒音対策ができるケースもあります。
今回は、騒音と密接に関わる「暗騒音」についてわかりやすく解説していきます。騒音でお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
暗騒音とは? 騒音との違いを理解しよう
まずは、「暗騒音」とは何かを整理してみましょう。

【暗騒音とは】
特定の場所で、ある特定の騒音(例えば隣の生活音など)を問題として捉えるとき、それ以外にその場所に常に存在している周囲の音を「暗騒音」と呼びます。
例えば、自宅で楽器の音が気になっているとしましょう。このとき冷蔵庫のモーター音や外の車の走行音、鳥の鳴き声なども耳に入ってきますよね? それらが「暗騒音」です。
騒音を測定するときには、この暗騒音の存在を無視できません。文献では「対象音があるときとないときで10dB以上の差があれば、暗騒音の補正は不要」とされていますが、私たち創和防音ではより正確な判断のために20dB以上の差を基準としています。
騒音が気になる原因は「暗騒音の少なさ」かもしれません
騒音というと、「うるさい音」に注目しがちですが、実は「周囲が静かすぎること」が原因で音が気になることも多いのです。
例えば、図書館のように静かな場所では、わずかな話し声でも気になりますよね? しかし、交通量の多い交差点では、周囲の騒音に紛れて気にならなくなるでしょう。
これは「マスキング効果」と呼ばれる現象です。JIS規格では「ある音によって、別の音が聞こえにくくなること」と定義されています。
つまり、暗騒音が多い環境では騒音が気になりにくく、暗騒音が少ない環境では逆に騒音が際立って感じられるのです。
なぜ夜になると騒音が気になるのか?
「夜になると騒音が気になる」という方も多いのではないでしょうか。
日中はテレビの音や家事の音、外の車の音などで部屋の中に暗騒音が多く存在しています。そのため、隣の部屋の音や階上の足音などがあまり気にならないのです。
しかし、夜になって家の中も外も静かになると、暗騒音が減少し、今まで隠れていた音が目立つようになります。これも、マスキング効果が弱くなったことによる現象なのです。
騒音を和らげる簡単な工夫とは?
夜間のように暗騒音が少ない状況では、小さな音が気になるもの。そんなときは、自分で暗騒音をつくるという工夫が有効です。
たとえば、眠る前に小さな音量で自然音や音楽を流しておくと、周囲の騒音が気にならなくなることがあります。これもマスキング効果を利用した方法のひとつです。
ただし、自分が出す音が他人の迷惑にならないよう、音量やタイミングには注意しましょう。
騒音を根本から解決したい方へ
簡易的な対策では満足できない方や、音に敏感な体質の方には、防音室の導入を検討するのもひとつの方法です。
市販の防音グッズは、基本的に「音を出す側」の対策が前提となっており、「音を受ける側」の対策としては効果が限定的です。
それに比べ、防音室は根本的に外部からの騒音を遮断できるため、快適な睡眠環境や集中空間を実現できます。コストはかかりますが、長期的には大きなメリットを得られる選択肢です。
騒音ストレスから解放されたい方は、この機会に一度、本格的な対策を考えてみてはいかがでしょうか?
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〈この記事を書いたライター〉 創和防音 編集部
創和防音は一級建築士・騒音振動公害防止管理者・一級施工管理技士など建築のエキスパートをはじめ、音楽大学卒業・元大手楽器メーカー勤務の楽器のエキスパートが在籍する防音工事専門会社です。


