防振床(浮き床)とは?~床防音対策の代名詞~
- 将司 石畑
- 4月14日
- 読了時間: 3分
みなさん、こんにちは!
超高性能乾式防振床「ドンナラン」の開発・設計・工事を行っている株式会社創和設計です。
「防振床」というワードを目にしたことはありますでしょうか?
(「浮き床」とも呼ばれます。)
恐らくこのワードを見たことがある人は「防音」について良く調べていらっしゃる方だと思います。
しかしながら、「防振床」は専門性が高いワードですので「いまいち掴み切れていない」のではないでしょうか。
この記事では「防振床」について解説していきたいと思います。
■防振床(浮き床)とは?
防振床とは、防音を目的とした二重床のことで、防振ゴムなどに支持されることで直下の床(建物躯体)に振動を伝えにくくする構造になっているものを指します。

また、防振床は「浮き構造」「浮き床」などとも呼ばれます。
図を見てわかる通り、床が防振ゴムなどの弾性体に支持されて「浮いている」ような形になっています。
この事からこのような床を「浮き床」とも呼ぶようになったのだと思われます。
防振床は床に対して本格的な防音対策が必要な場合にはほぼ必ず設置されます。
そのため、防振床は「床の防音対策の代名詞」と言っても過言ではありません。
■実際の防振床(浮き床)の例
防振床の概念について説明しましたが、ここで実際の防振床の例を見てみることでより理解が深まると思います。
●湿式防振床
これは防振ゴムなどの弾性体の上に床組を設置しコンクリートを打設することで、「重いものを揺らす」機構を実現し高い防振性能を実現しています。
コンクリートの重量が非常に大きいため、非常に高い防振性能を発揮することが可能です。


弊社は乾式防振床の開発・設計・工事を行っていますが、湿式防振床の施工も下請けとして経験が多いため、弊社にとっては身近な存在です。
湿式防振床はコンクリートを打設する関係上、「高性能」である代わりに「高価格」「高荷重」「長い工期」などのデメリットが存在します。
●乾式防振床
こちらも湿式防振床と同様に防振ゴムなどの弾性体を使用しますが、こちらは防振ゴムなどの上に床組を設置した後、コンクリートの打設は行わずに合板などを積層する構造となっています。


湿式防振床に比べて軽量であるため、湿式防振床に比べると防振性能は劣る傾向にあります。
しかしながら、乾式防振床には湿式防振床にはないメリットとして、
「低価格」「低荷重」「短納期」
などの特徴があるため、建物に防振床を導入する際には状況に応じて適切な使い分けが求められます。
弊社で開発した超高性能乾式防振床「ドンナラン」も「乾式防振床」に当たります。
●防振床の種類は大きく分けて「湿式防振床」と「乾式防振床」の2種類
防振床の種類は大きく分けて「湿式防振床」と「乾式防振床」の2種類です。
この記事では防振床を支持する弾性体の種類として「防振ゴム」を紹介していますが、他にも「空気ばね」「金属バネ」「多孔質材料(発泡スチロール・グラスウールなど)」があります。
これらの床を支持する弾性体の種類によって更に防振床の種類を細分化することができますが、ここではそれらの紹介は割愛させて頂きます。
■まとめ
防振床(浮き床)とは防音を目的とした二重床のことで、防振ゴムなどに支持されることで直下の床(建物躯体)に振動を伝えにくくする構造になっているもののこと。
防振床の種類は大きく分けて「湿式防振床」と「乾式防振床」の2種類がある。
湿式防振床は防振性能が高い代わりに「高価格」「高荷重」「長い工期」などのデメリットが存在する。
乾式防振床は湿式防振床と比べて防振性能は劣る傾向にあるが、「低価格」「低荷重」「短工期」などのメリットがある。
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