【まとめ】「組み立て式防音室」の値段相場について徹底調査しました!
みなさん、こんにちは!
大阪を拠点に防音室の設計・工事をしている創和防音です。
防音室には大きく分けて「工事式防音室」と「組み立て式防音室」の2種類がありますが、特に「組み立て式」はラインナップが幅広く低価格のものも多いことから非常に人気があります。
この記事ではそんな「組み立て式防音室」について解説するとともに「簡易防音室」と「普通防音室」の違いについて解説し、購入を検討している方へ向けてそれぞれの値段相場について徹底調査した結果を共有したいと思います!
■組み立て式防音室とは?
組み立て式防音室とは、部屋の中に小さい部屋(ブース)を設置するタイプの防音室のことです。
あらかじめ用意された部品を組み立てて設置する事が多いため「ユニットタイプ」や「組み立て式」などと呼ばれることが多いです。
代表的な組み立て式の防音室には以下のものがあります。
⇒オトダス
(クリックで各サイトへ飛びます)
●組み立て式防音室のメリットについて
組み立て式防音室のメリットは以下の通りです。
工事が不要なのですぐに導入できる
中古での流通がある
引っ越し先に持っていくことが出来る
基本的に「業者による組み立て」が必要になりますが、その組み立ても1日以内で終わることが多く居住者への負担はほとんどありません。
また、種類によっては「自力で組立」が可能なものも存在します。
また、組み立て式は移設が可能であることから中古で流通していたり、引っ越し先に持っていくことが出来るなどの特徴があり、大きなメリットとなっています。
●組み立て式防音室のデメリット
組み立て式防音室のデメリットは以下の通りです。
遮音性能の調整が出来ないため、周囲への音漏れの大きさをコントロールできない
広さや形状の微調整が出来ない(※例外あり)
などが挙げられます。
いずれのデメリットも組み立て式が「既製品」であることに起因しています。
既製品は遮音性能が元々決まっているため、防音室の用途に合わせた遮音性能の調整が出来ず、大きな音や振動が伴う用途の場合はクレームに繋がるレベルの音漏れが発生してしまうことがあります。
また、既製品の場合広さが決まっているため、メーカーが展開しているものの中から選ぶ必要があり、広さや形状の微調整が難しい面があります。(※「カワイ ナサール」では広さや形を自由に指定できるものも存在します。)
楽器を複数設置したり、大きな机や棚なども入れたい場合は広さが足りなくなる恐れがあります。
■組み立て式防音室の種類について~簡易防音室・普通防音室~
ここでは「簡易防音室」と「普通防音室」の2つの違いについて解説します。
●組み立て式防音室の<簡易防音室>と<普通防音室>の違いについて
「簡易防音室」と「普通防音室」の違いは、防音性能が保証されているか否か、です。
防音性能の保証は「遮音等級Dr値」によって保証されます。
「遮音等級Dr値」とは、JISが定めている遮音性能に関する規格で、「Dr-35」や「Dr-40」といった形で表記されます。
⇒「Dr-○○」の数字の部分が大きければ大きい程遮音性能が高いことを表します。
「遮音等級Dr値」は性能の測定方法がJISによって厳密に定義されているため、「遮音等級Dr値」の保証がされている防音室では一定以上の品質が担保されていると言えます。
⇒「遮音等級Dr値」についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
この違いは防音室にとって非常に大きな違いです。
そのため、
・「遮音等級Dr値」が保証されている防音室を「普通防音室」
・「遮音等級Dr値」が保証されていない防音室を「簡易防音室」
として区別されます。
■「組み立て式防音室」の値段相場を調査
ここでは「組み立て式防音室」の値段相場について見ていきましょう。
(「工事式防音室」の値段相場を知りたい方はこちらの記事へ)
●<組み立て式-簡易防音室>の値段相場
ここでは、簡易防音室の代表的な製品として「だんぼっち」と「OTODASU」について紹介します。
「だんぼっち」
⇒商品ホームページはこちら
出典:だんぼっち
「だんぼっち」は最安では8万円台で発売されています。(2024年9月現在)
また、「だんぼっち」はサイズに応じて値段が変わるラインナップとなっています。
出典:だんぼっち
最もサイズが大きい「グランデ」で13万円弱程度となっています。(2024年9月現在)
「OTODASU」
⇒商品ホームページはこちら
出典:OTODASU
「OTODASU」は最安では10万円台で発売されています。(2024年9月現在)
また、「OTODASU」はサイズと吸音材等の有無に応じて値段が変わるラインナップとなっており、最も値段が高いものでは30万円程度となっています。(2024年9月現在)
出典:OTODASU
「だんぼっち」と「OTODASU」についてご紹介しましたが、いずれの防音室もあくまでも「簡易的な防音室」であり、遮音等級の保証なども無く、遮音性能は比較的低い傾向にあります。
そのため、スピーカーから大きな音を出す場合や楽器演奏などでの用途では、部屋の周りの環境によっては遮音性能が足りず「騒音トラブル」に繋がる可能性があります。
しかしながら、それ以外の用途(人の話し声程度など)ではこれらの防音室の性能でも十分な場合も考えられるため、一つの選択肢として十分に検討の余地があると思います。
また、意外と見落としがちな注意点ですが、エアコンの設置は出来ないため室温や湿度の管理には注意が必要となります。 (換気ファンの導入は可能となっています)
●<組み立て式-通常防音室>の値段相場
ここでは通常タイプの代表的な製品として「ヤマハ アビテックス」と「カワイ ナサール」について紹介します。
「ヤマハ アビテックス」
⇒商品ホームページはこちら
「ヤマハ アビテックス」では最も安いものでは80万円弱程度、最も高いものでは300万円程度で発売されています。
(中古での流通もあるため、中古ではこれよりも安い値段で購入できる可能性もあります。)
「ヤマハ アビテックス」は「2つの遮音グレード」・「広さ」・「不燃仕様か否か」に応じて値段が変わるラインナップになっています。
なお、広さは「0.8畳~4.3畳」の間でのラインナップとなっています。
出典:YAMAHA
0.8畳~1.5畳のタイプでは管楽器などの比較的サイズが小さい楽器の立奏~座奏での用途が想定されています。
出典:YAMAHA
2畳~4.3畳のタイプではピアノなどの比較的サイズが大きい楽器の演奏用途などが想定されています。
「カワイ ナサール」
⇒商品ホームページはこちら
「カワイ ナサール」では最も安いものでは60万円弱程度、最も高いものでは370万円程度で発売されています。
「カワイ ナサール」は「3つの遮音グレード」・「広さ」・「室内高さ」に応じて値段が変わるラインナップになっています。
※「高遮音タイプ」では更に上の遮音グレードも選択できます。
なお、広さは「0.8畳~10畳」の間でのラインナップとなっています。
0.8畳~1.5畳のタイプでは管楽器などの比較的サイズが小さい楽器の立奏~座奏での用途が想定されています。
1.7畳~10畳のタイプではピアノなどの比較的サイズが大きい楽器の演奏用途などが想定されています。
また、「カワイ ナサール」では「高遮音タイプ」があり「遮音等級Dr-50」を達成しているものもラインナップされています。
こちらは組み立て式としては珍しく、二重壁が採用されており高い遮音性能を実現しています。
⇒「二重壁」の遮音性能向上の理由についてはこちらで詳しく解説しています。
なお、こちらは3.4畳~4.6畳の広さがラインナップされています。
<組み立て式-通常防音室の総括>
いずれの防音室も値段については、「部屋の広さ」によって大きく変わり、次点で「遮音等級」や「細かな仕様」に応じて変動するようです。
これらのタイプでは室内にエアコンの設置も可能となっています。(※広さにより設置ができない場合もあります)
なお、実際に導入するとなった場合はこれらの本体価格に加えて「搬入費用」と「組み立て費用」がかかるため、実際にかかる総費用には注意が必要です。
■組み立て式防音室の値段相場一覧表(簡易・普通含む)
ここまでの値段相場の情報をまとめた表として、
組み立て式防音室(簡易・普通含む)の値段相場を一覧表を以下に作成しました。(2024年9月現在)
組み立て式防音室の導入の検討に役立てば幸いです。
※「カワイ ナサール」では4.3畳を超える広さの防音室も存在しますが、この表では4.3畳までの記載としています。
※「カワイ ナサール」では「遮音等級Dr-50」のラインナップも存在しますが、この表では記載しておりません
※実際にはこの価格に加えてオプションや、必要な場合は運送・組立費用などが加わってきますので、この表はあくまでも目安と考えて頂ければと思います。
■最後に
以上が、「組み立て式防音室」についての記事でした。
整理してみると、意外と沢山の選択肢があることがわかります。
また、性能や価格もピンキリと言った感じです。
「組み立て式防音室」は非常に人気のある防音室ですが、工事式防音室を手掛けている弊社としては「工事式防音室」をオススメしています。
防音室の選定は用途によって最適な選択肢が変わりますが、防音室を設置する目的が「確実に騒音トラブルを防ぐこと」なのであれば、後悔をしないためにも防音室の用途に合わせて設計されたオーダーメイドの「工事式防音室」を導入することをオススメします。
⇒弊社はTV局やスタジオなどの「プロ向けの防音室」を長年手掛けてきた防音専門業者です。
個人向けの防音室のご依頼も承っておりますので「お見積もり」や「ご相談」などお気軽にこちらからお問い合わせください。(お見積もりもご相談も無料です。)
ですが、人によって予算や状況は異なるため、誰もが工事式防音室を設置できるとは限りません。
ですので、工事式防音室を購入する以外の選択肢として「防音賃貸マンション」もオススメしています。
こちらは「工事式防音室」が設置されている賃貸マンションのことで、防音室の購入費用は掛からず月々の賃料しかかからないため比較的防音室導入のハードルが低いです。
購入費用の捻出が難しい方は是非「防音賃貸マンション」も検討してみてはいかがでしょうか。
⇒「防音賃貸マンション」について解説した記事はこちら
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